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2019.12.13
雇用関連
2024.10.08

2020年4月から中小企業も労働時間の上限規制の対象になります。

2019年4月、労働時間の上限規制が法律に規定されました

特定技能の在留資格では法令遵守が重要視されています。在留資格の申請をする外国人本人が法令を守っている必要があることはもちろんですが、受入企業側がルールを守ることも同様にとても大切なことです。

2019年4月に労働基準法(以下、労基法)が改正され労働時間の上限規制が法律に規定されました。現在、中小企業はこの規制が猶予されており大企業のみ対象となっていますが、2020年の4月からは中小企業も規制の対象となります。

人手不足だからと知らない間に社員に残業をさせすぎていませんか?

中小企業であっても今のうちから労働時間の上限を守って社員が働くことが出来るよう体制を整えておく必要があります。


労働時間の上限規制 法改正のポイント

時間外労働(休日労働は含まない)の上限は、原則として月45時間・年360時間です。
これについては改正前後で変更はありません。しかし、臨時的な特別の事情がなければこの条件を超えることが出来なくなります。

また、臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合でも下記の時間を超えて時間外労働をさせることは出来ません。

  • 時間外労働が年720時間
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間
  • 時間外労働の合計について「2~6月平均」がすべて1月当たり80時間以内
    ※2カ月の平均も3カ月の平均も…6か月の平均も全て80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることが出来るのは、年6回まで
上記に違反した場合には罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される可能性があります。

※建設業、自動車運転の業務、医師、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業については5年間猶予されます。


36協定の締結・届出をしていますか?

労基法では、労働時間は原則1日8時間、週40時間以内とされています。また、休日については原則として毎週少なくとも1回付与することとされています。これを「法定労働時間」、「法定休日」といいます。

法定労働時間をこえて労働者に時間外労働をさせる場合や法定休日に労働させる場合には、「労基法第36条に基づく労使協定(通称:36(サブロク)協定」を締結し、所轄労働基準監督署長へ届け出なければいけません。

2019年4月の法改正で時間外労働の上限が規定され、36協定で定める必要がある事項も変更になりました。
※中小企業は2020年4月以降の以降の期間のみを定めた36協定分から新しい様式が適用されます。ただし、上限規制に対応できる場合は新様式で提出してもかまいません。

36協定の様式の主な変更点は、下記の通りです。

  • 特別条項ありなし兼用だった様式が特別条項と一般条項を分離した2枚の様式に変更されました。
  • 特別条項について「限度時間を超えて労働させる必要がある場合」について具体的に定めることが必要となりました。
  • 特別条項を定める場合は、健康確保措置の導入が必須となります。
  • 時間外労働と休日労働を合算した時間数などについて要件を満たすことを確認するチェックボックスが設置されました。
特別条項とは
特別条項は「臨時的に、限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情」が予想される場合に従来の限度時間を超える一定の時間を延長時間とすることができるものです。特別の事情とは、従来の限度時間を超えることが恒常的ではなく、一時的・突発的なものである場合に限られ、例えば、機械トラブルや大規模なクレーム対応などが該当します。

 
労働時間の上限規定と36協定についての詳細は厚生労働省のホームページをご確認ください。

>参考URL:厚生労働省.働き方改革と労働時間の上限規制について

>参考資料:厚生労働省.時間外労働の上限規制わかりやすい解説

>厚生労働省:「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について

 


割増し賃金を確認しておきましょう

もう1点確認しておきたいのが割増賃金です。
社員を残業させる場合残業代を払う必要があるという認識は多くの企業が持っているでしょう。しかし、残業代が正しく設定されていないケースは多々見受けられます。

以下、時間外労働と休日労働時に支払わなければならない割増賃金率についてまとめておきます。

法定時間外労働 ⇒ 25%以上
(法定60時間超 ⇒ 50%以上 ※中小企業は2023年4月1日まで猶予され25%)

休日労働 ⇒ 35%以上

深夜労働 ⇒ 25%以上
※深夜労働は午後10時から午前5時まで

時間外労働+深夜労働 ⇒ 50%以上

休日労働+深夜労働 ⇒ 60%以上

 
※例えば所定労働時間が7時間の場合に2時間残業をしたとします。その場合、7時間を超えてから8時間までの間の残業代に対しては割り増しする必要はありません。法定労働時間を超えた8時間以上働いた分の残業について割り増しして残業代を払う必要があります。
 

みなし残業についても注意が必要

みなし(固定)残業代を支給している場合等、残業代を支払っていることで問題ないと安心してしまうケースがあります。みなし残業代については、基本給と区別し、時間数と金額を明確にして周知しておく必要があります。
 
 

特定技能として外国人を雇用する場合、労働時間や休日、基本給や残業代などの雇用条件を外国人が十分に理解できる言語で説明しなければなりません。日本人を雇用する場合にも大切なことですが、特定技能外国人を採用しようとする企業は、労働時間や賃金規定等社内のルールについて整備するようにしましょう。
 
 
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