日本人の新卒採用が激減 外国人採用の強化へ
「株式会社YSK」(東京都)統括店長/人事採用 小坂 昌彦様
もともとうちの店では外国人スタッフがたくさん働いていました。10年15年前は中国や韓国の子たちが多かったのですが、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに「日本は危ないのでは」といった不安から、多くのスタッフが帰国。その後、少しずつベトナムの子たちが増えていきました。
「社員になりたい」と言ってくれる人はたくさんいたんですけど、当時は飲食店の社員になれる在留資格がありませんでした。中には、「技術・人文知識・国際業務」(「技人国(ぎじんこく)」)の在留資格で外国人を正社員雇用していた会社もあったと聞きますが、弊社では法律を遵守する方針を徹底しており、社員としての雇用は難しい状況が続いていました。その一方で、新卒採用を含め日本人の人材確保もどんどん難しくなっていったんです。
以前は、飲食店でアルバイトをしていた人が「経験を活かしたい」と正社員で入社してくれるケースも多かったんですが、最近ではアルバイトで飲食業を経験している方自体が少なくなったのでしょう。社員を募集してもなかなか集まりませんでした。大きな危機とも言える人材不足の課題を解決するため、日本人も募集しながら、外国人スタッフの採用に力を入れることにしたのです。
アルバイト紹介の実績からSTAY WORKERに信頼を寄せる
人材不足の課題が深刻化していた中、2019年、STAY WORKERさんから特定技能制度が始まったと教えていただき、「外国人を正社員として採用できるようになります」とご提案をいただきました。それ以前からアルバイトの紹介でお世話になっており、人手が足りなくなった際にはすぐに何名かを動かしていただける対応力が心強く、信頼を寄せていました。これまでにアルバイトの方を100人以上紹介していただいた実績もあり、「STAY WORKERさんの提案なら信頼できる」と判断し、すぐに依頼しました。
これまでの実績と丁寧な対応に信頼感を持ち、5年前にSTAY WORKERさんに特定技能制度を活用して紹介していただいたベトナムの男性スタッフは、弊社が運営する「手包わんたん麺 広州市場」で、今も第一線で活躍しています。厨房からホールまで何でもこなし、店長がいなくてもアルバイトと協力してお店を回せる、本当に頼りになる存在です。
もちろん、わんたん麺の味の基準とこだわりも共有しています。そして、店のこだわりは、何といってもわんたん。肉はこねてから12時間以内、野菜は当日納品のものを使用し、特注の皮で1つ15gを厳守。1杯に10個入れる基準を徹底していますが、彼はそれを完璧にこなし、特定技能スタッフとしての高い能力を発揮しています。
日本人と同じキャリアアップが可能な環境
採用された外国人スタッフの中には、ベトナムの方も多く、彼らは非常に努力家で、現場にすぐ馴染んでくれます。ただ、課題として挙げられるのは、やはり漢字の壁です。メニューやマニュアルが漢字表記のため、最初は戸惑う場面も多くありました。分からないときは、厨房裏で同じベトナム出身のアルバイトに確認しながら乗り切る姿も見られましたが、現場でオペレーションを繰り返すうちに日本語を覚えて、対応もスムーズになりました。努力家の方が多く、そんな姿を見ていると本当に感心しますね。
特定技能の方はシフトにも協力的で、他店舗で欠員が出たときにも嫌な顔せずヘルプに行ってくれて助かっています。時間厳守で遅刻をしないところは日本人にも見習ってほしい。休みの日には日本語の勉強をしていて、常に目標を持って頑張っています。
現在、弊社のスタッフの多くはベトナムやミャンマー出身の外国人です。
中には、特定技能2号に合格し、店長業務と同等のスキルを発揮しているベトナムのスタッフもおり、大きな信頼を寄せています。みなさん、日本人と同じキャリアパスを歩みながら着実に成長しており、まさに彼らがいなければ店は回らないと言っても過言ではありません。今後も、特定技能制度を活用し、安定的で優秀な人材を確保しながら、店舗運営のさらなる強化を目指していきたいと思っています。