厚生年金について
日本の年金制度の場合、日本に在住する20歳以上60歳未満の全て人が年金保険に加入しなければいけません。厚生年金の適用事業所の場合は厚生年金に、適用事業所でない場合は国民年金に加入します。外国人労働者や留学生であっても加入対象です。
年金保険料は給料に応じて計算され、労働者と企業が折半して負担します。年金というと老後のためというイメージがあり、いずれは母国へ帰国しようと思っている外国人にとっては支払いたくないものでしょう。
しかし、厚生年金に加入していると、一般的な年金のイメージである「老齢年金」のほかに、一定の要件を満たすことで「障害年金」や「遺族年金」の給付を受けることができます。
障害年金は、病気やケガにより後遺障害が残り、生活や仕事の上で制限される状態になった場合に受給できます。また、障害厚生年金の支給対象とならない軽度の障害が残ったときは「障害手当金」を受け取れる場合があります。
遺族年金は、一家の大黒柱となる働き手の方や年金受給者の方が亡くなられた場合に、その家族に給付される年金です。
上記のように年金保険は外国人にとっても加入しておくとメリットがあるものです。とは言っても、日本人と異なり外国人の場合、自国の保険料と二重負担になってしまう、負担した年金保険料が受給につながらないなどの問題がありました。
そこで「社会保障協定」や「脱退一時金」など掛け捨てを防止するための制度があります。
社会保障協定
社会保障協定は、各国の社会保障制度において、保険料の二重負担や年金の掛け捨てを防止するために加入するべき制度を二国間で調整し、年金加入期間の通算を行うための協定(条約)です。2019年7月時点で日本は22ヶ国と協定を署名済で、うち19ヶ国は発効しています。
協定の内容は国ごとに異なるため詳細は日本年金機構のホームページをご確認ください。
参考URL:日本年金機構.社会保険協定(https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20141125.html)
■社会保障協定発効済国
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア
■署名済未発効の国|
イタリア、中国、スウェーデン
脱退一時制度
脱退一時金は、厚生年金の保険料の掛け捨てを防止するために厚生年金保険から支給される一時金です。
厚生年金保険の加入期間が6か月以上あり、日本国籍を有しない外国人が帰国する場合、加入期間に応じた脱退一時金を請求することが出来ます。
外国人が日本を出国した日から2年以内に所定の請求書に添付書類を添えて日本年金機構に請求します。また、出国前の場合でも転出届を市区町村に提出することで、住民票の転出予定日以降に日本国内での請求が可能になりました。
なお、受給資格期間が10年以上ある方(老齢年金を受ける権利がある方)は、脱退一時金を受け取ることができません。
脱退一時金は、企業が請求手続きをしてくれるものではありません。詳しい手続きについては、日本年金機構にお問い合わせください。
参考URL:日本年金機構.脱退一時金制度(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html)
日本での就職の悩みはSTAY WORKERにお任せください。